大好きなテレマン協会。
毎年、ブランデンブルグ協奏曲全曲演奏会とメサイアのコンサートを聴きに行くのがルーティンになっている。
先週の笛道場に、コンサートのポスターが貼ってあったので、チラ見したら、17日って金曜じゃん、がっくし、と言ったら、笛先生から「あ、来週はレッスン休みです」と言われた。
なんとラッキーな。これは行くしかないね、ということで、午後半休を取った。
家の野暮用を片付け、まずは風呂屋に行って身体を清め(⁈)、阪急神戸線の始発から終点まで乗り、淀屋橋の大阪倶楽部へ。
マンスリーコンサートはどうやら会場が(大抵)ここらしい。
大阪の市中には結構レトロで素敵な建物が残っている。
この大阪倶楽部も古きよき時代の建築様式を体感できる。
今回は休みが取れるか確証が持てなかったし、風呂屋に行くことが気分的には優先だったから、当日券買えればいいや、ダメなら諦めようくらいのつもりで会場入り。
18時開場18:30開演というスケジュールの中、17:40頃受付に到着。当日券は余裕で手に入った。
既にホールの前には常連と思しき方達が列を作って開場を今か今かと待っている。
えらいせっかちやなぁ、と思っていたら、その列をなしていた方達は「ベスポジ狙い」に必死だった故のようだ。(全席自由席なので)
↑こんな感じで、「かぶり付き」の席を狙っておられたようで。
あとは、法人賛助会員が多いので、「関係者席」が結構多い。座る場所にちょっと悩む。が、今日は「寝てしまうかも」という不安があったので、後ろの方の端の座席を選んだ。
実はモーツァルトって、私の中では弾くのも聴くのも苦手な作曲家だ。
ヴィオラは基本刻みばっかり、そして曲の「軽くてチャラい感じ」が苦手−だけど、今回敢えてそれでもオーディエンスになろうとやってきたのは、なんといっても「室内楽」、ヴァイオリンがめちゃくちゃ上手くてかつチャーミングな浅井咲乃さんが出るし、森本センセーの笛も楽しみだ。
そして何より、「親分」延原マエストロの「大阪のおっちゃんトーク」が楽しみだから…もあるし、今回は本職(⁈)のオーボエでも登場するという。期待は深まるばかりだった。
最初にオーボエかなぁと思いきや、最初は笛四重奏だった。
何の予備知識も持たずに行ったので、出だし聴いて「この曲かよ!」と反応してしまう。
(一番有名な、歯医者さんの受付でかかってそうな、あの曲)
特に、笛とVnはハーモニーのバランス感覚が絶妙だなぁと本当に感心した。
オケにはオケの、アンサンブルにはアンサンブルの、ソロにはソロの合わせの難しさ、合わせ方があるけれど、本当にマルチにこなせる凄い逸材メンバーだなぁ、今日は来てよかったー、と私の中のモーツァルトアレルギーがこの演奏のお陰で少し軽減した(笑)。
マエストロ延原は、どうしても「喋りたい」性質のようで、1曲終わるごとにご丁寧に解説をしてくれる。今回演奏された笛四重奏は、モーツァルト自身が気に食わなくてバッテン付けて削除した箇所があってね…と言って、その「イケてないバージョン」も演奏があった。単なるコンサートで終わらないのも、テレマンのコンサートのええところだ。
2曲めは満を持してのオーボエ四重奏。
なのだが…森本センセーの笛の時と違って弦メンバーはちょっと(いや、結構⁈)ムラがある延原センセに合わせるのに必死感が漂っていた。
「ああ、最後は音が出ませんでした」と言って締めくくられた。
喋るより吹く方が緊張するらしい(爆笑)。
休憩挟んで後半は弦楽三重奏。
長い長い曲なので、普通は全曲通しでやらないのかもしれない。
6楽章もある(1つ1つの楽章はそんなに長くないが、それでも6つ集まれば…)
6楽章なんかは華やかなので、そこだけ取り出して演奏するというのもアリなのかもしれない。
とりあえず、Vnの浅井さんのテクニックが飛び抜けて凄すぎる、Vaの姜さんのパフォーマンスは見かけの通りの「優しさ、奥ゆかしさ」が滲み出るので、もっとガツガツ行っちゃってくれ!と攻めに期待する瞬間もあったり。Vcの鷲見くんも、上手いは上手いのだが、やはり凄すぎる浅井さんとイーヴンの勝負になると頭一つ分くらいのテクニックの差が見えてしまう。でも、まだ若いし、伸びしろが充分ありそう。
そんなこんなで、「生で聴くモーツァルト」は想像以上に楽しめた。
来月のマンスリーコンサートは「G20が大阪で開催される影響で『ひっちゃかめっちゃか』になるから開催できない」らしい。
マンスリーに行きたい人は7月以降にお楽しみあれ。
とりあえず、私は次のテレマンとの再会は10月のブランデンブルグ全曲演奏会の予定(おっと、この日も金曜だけど、レッスンを休んででも行くぞ)。
【今日の曲目】
フルート四重奏 ニ長調 Kv285
ーーーーーー休憩ーーーーーーー
ディヴェルティメント 変ホ長調Kv563