基本的なことだが、レッスンで弾く曲の楽譜は自分で買う。
既に絶版になっているとか、どうしても日本では手に入らないとか、特別な事情がある時には先生がコピー譜を渡してくれることもあるかもしれないが、「買える限りは楽譜は買うもの」だと思う。
(何を言うとるんじゃ、当たり前やろ、と思う人と、え、楽譜買うなんてカネに余裕があるんだなあ、と感じる人と二分されると思う。個人的な感覚では、「個人的にレッスンを受けたことが無い人=吹奏楽や学オケだけで育った人」は、コピー譜使って何が悪いの、という反応をすることが多い気がする。それがいい悪いの議論はとりあえず今は置いておこう。もちろん著作権の問題から考えれば「買う」のが「正論」になるだろうが…)
選択の余地が無い場合は仕方無いが、いくつかの出版社から譜面が出ている場合は、できる場合は見比べたりして買いたい。まあ、ヘンレかベーレンライターを買っておけばハズレはあまり無さそうだ。
個人的には「楽譜が見やすいこと」、「解説とかが載っていると尚良し」。「安けりゃいい」で選ぶことはあまり無い。(だから、笛の代表的教本であるアルテもシンフォニア版を買った。)
話はフランクに戻る。
ヴィオラ版の楽譜は昨夏だったと思うが、ベルリンで買ったと記憶している。Dussmannという巨大な書店が市街地中心部にあって、そこの地下が楽譜売り場だ。恐らく、これだけ楽譜が充実している店は世界の中でもあまり無いんじゃないか、というスケールの店なので、ベルリンに行く度に必ず寄ることにしている。別に買うものが有ろうが無かろうが(そして結果的に何かしら買ってしまうのだが)。
ベーレンライターは大抵3ヶ国語くらいで解説が付いている。ドイツ語、フランス語、そして英語あたりか。
もともとこのヴァイオリンソナタは、友人のヴァイオリニスト、イザイの結婚祝いに作られた曲で、わりかしすぐにチェロバージョンも作られて出版されたらしい。そして、次いでヴィオラバージョン、笛バージョンも作られたけれど、ヴィオラバージョンと笛バージョンは出版社から元原稿が無くなってしまっているから、本当の−というか、「オリジナルのアレンジ」は確証が無い、そうだ。
ヴィオラバージョンは、ヴァイオリンの原曲よりも、どっちかというとチェロバージョンのニュアンスを引き継いでいる、とも書いてあった。
ふーん。
なるほど、だから、チェロで弾く人もいるし、笛バージョンの楽譜もあるのか。無理して最近の人が吹こうとしてアレンジした訳ではなく、言うならば「由緒ある」アレンジバージョンなのか。
ちなみに、それを当たり前と捉えるかどうかは分からないが、ヴァイオリンであれヴィオラであれチェロでも笛でも、ピアノ伴奏は全部一緒、というオチも付いていた。
ふーん。
さて、チェロの可能性はゼロだけど、じゃあ、何で弾こうかな…。
(そして、わが家にはすべての楽器が揃っている)